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タイの葬式・タイ人の死生感



1.日本と比べたタイのちょっと不思議なお葬式事情


●葬儀日数

葬儀は、3、5、7日間..と奇数日行われる。裕福なほど、日数が長くなる傾向あり。


●葬儀・火葬

お寺で葬儀も火葬も行われる。火葬は、数日間行われる葬式の最後の日に行われる。


●埋葬

日本では墓地に埋葬するのが一般的だが、タイには墓地がない為、散骨が殆ど。骨の一部を納骨をして残りの骨を散骨する場合もあり。


●寺院のルール

寺院の門の敷居を踏んではいけない。


●服装

タイの葬式では喪服を着る文化はなく、参列時の服装は、黒っぽい服装でOK。ただし寺院では極力肌を見せない。男性は、襟付きシャツが望ましく、子どもは制服でも可。黒っぽくない服を着るときは、黒いリボンなどを左胸か左腕に付けると良い。


●香典

「香典袋」はなく、白い封筒にお金を入れて名前を書く。(よく見る額として200B~1000B)上限は特になし。親しければそれだけ金額も高くなる。記帳はなく、香典返しもない。


●宝くじ

宝くじ売りが葬儀場所に宝くじを売りに来る。「何歳で死んだ?死亡日は何日か?」など死亡者に関連する数字や葬儀場所(サーラー)や棺の蓋の裏に記載されてる番号などを宝くじ売りが尋ねてきたり、また、参列者が我も我もという感じでそれらの番号を買ったりする。

日本人からすれば、不謹慎、罰当たりと感じるが、タイでは死亡した人からの福徳を得るみたいな感覚のようで不謹慎だといって気分を害する人はいない模様。



2.タイ人の死生観〜様々な葬儀の習慣はこの考え方から〜


生死を目にする機会が多いせいか、タイ人は「死」に対しては鈍感な気がする。人の生き死にに慣れてしまっていて、よほどの仲でない限り、訃報を聞いても軽く驚く程度になってしまっている。


いい方向に取ると、南国気質で楽観的、おおらか。しかし、違った面から捉えると、後先を考えていないということになり、短期的な感情で暴力を振るい、ときには人を殺す。


車の運転もいい加減で、交通事故も多い。バスやタクシーの運転手は自分と乗客の命の重さを考えることはない。そうしてまたさらに死に直面する場面が増えていく。


建築物や乗り物などが壊れたり、事故が予想される欠陥が判明しても「マイペンライ(なんとかなるさ)」。事故が起きてから対応、事故に遭った人は「チョークマイディー(ついてない)」。来世でまたリスタート。


タイ人は普段から寺院に行き、またいろいろな活動や行動の中で徳を積んでいる。報徳堂のボランティア隊員も名目では功徳のために活動をしているのだが、この行動は仏教の教えに従うもので、来世がよりよいものになることを願うからだ。


結局のところ、タイ人は来世のために生きているので、今生における死はあまり重要ではないのかもしれない。

一般的に「死」は究極的な終わりとはみなされていない。

「肉体は器でしかなくて、例えるなら車のようなもの。残念なことに、いくらメンテナンスをして大切に乗っていても、年を重ね古くなるにつれて少しずつ、壊れてゆく。そして最後には動かなくなる。それが死。だけど、肉体は魂の乗りものにしか過ぎなくて、魂はまた別のところに行くんだよ。」


タイ人の死生観では死は悲しいことではなく、成仏して輪廻転生(生まれ変わる)できる出発点であり、むしろめでたいこと。したがって葬式は派手に執り行われ、飲めや歌えや踊れやのドンちゃん騒ぎ。特に富裕層はストリップ嬢紛いのダンサーを呼んで一週間も葬式を挙行することもある。反面、死体(遺骸)そのものへの愛着は無く、一般的には火葬後は花咲か爺婆(灰)となって消滅するため墓は勿論戒名すらなく、四十九日や一周忌・三周忌・十三回忌などの法事は無論無い。

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