車両関係の某大手会社駐在員のT氏(30代)。帰宅し夕食を済ませ、特に体の不調を訴えることもなく、本当に普段通りに寝床につき就寝。朝方、T氏の様子がおかしい事に気付いた妻が居住場所至近であったサミティベート病院に連絡、救急車で病院に運ばれるも死亡。心不全との事であった。
会社として社葬を日本で行いたいとの事で「それについて話し合いの場を設けるので来て欲しい」とスクンビットにあるホテルの会議室に行くこととなる。時間前に到着しコーヒーを飲んでいると、この暑い中スーツを着こんだそれっぽい人だかりが10数名ロビーにいるのが見えた。
時間になったのでエレベーターで指定の会議室にあがっていくと、『何々社、会議はこちら』と看板まで出している。流石大手会社と変な感心をしてしまう。会議室に入ると、プロジェクター、ホワイトスクリーン、テーブルの上にマイクと本格的。
参加人数も十数名どころではなく40-50名程と、会社の気合の入れようが見て取れる。
会議内容としては、日本で葬儀を行うまでのタイ側での流れ、今までの事例からどのような問題が多く考えられるか、といったことに対して質疑応答。
死亡届け・関係書類手続き・ご家族の帰国便と同便で日本へ御遺体の搬送、それらの手配を全て会社側が行い、T氏のタイにある銀行口座の解約も会社の弁護士が行う。病院から空港への御遺体搬送だけはこちらの業者にやって頂き、サミティベート病院から空港へ搬送する際に、途中、遺体搬送車が会社に寄って会社敷地内の建物の周りをゆっくり1周して貰う、病院からの搬送に立ち会えない社員等はその時見送りに参列、ということで決定。
数日後、会社側が手配を終え病院から遺体を搬出し、会社経由で空港へ見送りということで、病院からの御遺体搬出に立ち会う事になり病院へ行ったところ、遺体安置所からあふれ出るほどの人数が既におり、50人以上が見送りに参加している様子。
参列者に見送られながら遺体搬送車出発。ご遺族や関係者が乗る会社の車両も数台並走。大会社は違うな、と思いながら立会いを終えて終了となった。
後日、Y氏の奥様より連絡があり、バンコク市内に1行、隣県に1行の銀行口座があり、その解約の為、相続執行人任命の手続きを依頼される。この際はY氏の奥様がわざわざ日本から度々タイ渡航しなくともいいように、私が相続執行人となったので、必要書類を持って隣県の銀行、バンコク市内の銀行へ行き解約。
銀行から発行された小切手を入金し現金化。奥様の御都合の良いタイミングで来タイされて、現金をお渡しするという話だったが、奥様が来タイされる予定であった月にコロナ規制によるロックダウン、出入国規制が始まり、暫く様子を見ることとなる。
今回、Y氏のご家族の書類など日本から速やかに送付して頂き、着手から裁判所から任命の書類が発行されるまで4か月ほどで完了、と比較的早かったにも関わらず、渡航可能となっても【搭乗72時間前のPCR検査】【タイで14日間の隔離】【日本帰国後も14日間の隔離】など制限が多く、タイ滞在3日ほどの短期滞在の場合、安易に日タイ往復できる状態ではないと判断。結局、コロナ規制明けの2023年の夏にようやく奥様来タイ、現金のお渡しとなった。
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